はじめに

NICUに赤ちゃんが入院していると、「親として何ができるんだろう」と不安になることはありませんか?

私も双子を出産後、すぐにNICUへ入院が決まり、最初は「何もできない自分」に戸惑いました。

保育器越しに見るわが子。
小さな体についたチューブやモニター。
ただ見守ることしかできない時間が、とても長く感じられました。

でも、NICUでの毎日の中で、少しずつ「できること」が増えていきました。

初めての抱っこ。
小さなおむつ替え。
カンガルーケアや授乳の練習。
保育器からコットへ移った日。
そして、退院が決まった日の気持ち。

この記事では、双子がNICUを卒業するまでの道のりを、お世話やふれあいの記録を中心にまとめています。

治療の詳しい内容ではなく、「親としてそばにいる時間」に焦点をあてて書きました。

NICUで過ごした日々は、決して「何もできない時間」ではありません。

今、NICUで頑張っている赤ちゃんとご家族の方にとって、少しでも安心や希望につながれば嬉しいです。

▼前回の記事はこちら

【双子出産】NICU入院中の搾乳と授乳|母乳が出ない不安と向き合った日々(NICU編3/6)NICUに入院した双子と過ごす中で、私が想像以上に大変だったことのひとつが「搾乳と授乳」でした。 赤ちゃんが生まれたら、当たり前のよう...

 

NICUでの生活が始まった日|初めての抱っこ

初めて我が子を抱っこできた瞬間

初めて抱っこができたのは、お兄ちゃんが生後3日目、弟が生後4日目でした。

呼吸器や点滴はつながったままで、数分しか抱っこできませんでしたが、小さな体なのにとっても温かかったことを覚えています。

この時はじめて「私はこの子たちを産んだんだ」と実感できたように思います。

保育器越しのふれあいから始まった日々

はじめは、透明なフードで覆われている閉鎖式保育器だったため、横の扉を開けて手を入れて触れ合っていました。

手や足に触れたり、ほっぺを撫でたり、おむつ替えもできました。

この保育器生活も長く続くのかな?と思いましたが、生後1週間ほどで、ベッド上部のヒーターで保温するオープン構造の開放式保育器に替わりました。

開放式になると触れられる時間も増え、新生児の匂いも感じられてより幸せでした。お世話もしやすくなり、この頃からおむつ替えに加えて体温測定、顔や体の拭き取りなどもできるようになりました。

NICUでのお世話|毎日できたこと

おむつ替えと体温測定

面会のたびに、おむつ替えや体温測定をしました。

おむつのサイズは4Sサイズ。体重1,000g~1,500g程度の極低出生体重児向けのサイズで、片手に乗るほどの小さなおむつでした。そんな小さなおむつですが、生後しばらくの間はウエストを折り曲げてつけていたほど、2人の体は小さかったです。

それでも、少しずつ体重が増えておむつが小さくなっていく様子は、ママとして安心しましたし、サイズアップした時は涙が溢れそうでした。

おむつを替えたら体温測定。触れると壊れてしまいそうで最初はドキドキしましたが、繰り返すうちに少しずつお世話にも慣れていきました。

呼吸器や点滴がつながっているため、抱っこは2日に1回の体重測定のタイミングで数分だけすることができました。

保育器からコットへ移った日

誕生から約1ヶ月経った修正月齢32週、自分で体温調節ができるようになり、容態も安定してきたことから、2人ともコットに移動しました。

ずっと待ち望んでいた、コットで寝ている2人の姿を見ることができ、「やっとここまで来たんだ」と思い、とても嬉しかったです。それからは退院までコットの中で過ごしました。

面会時間の過ごし方

基本的に毎日面会に行きました。はじめの1ヶ月はいつ容態が変化するか怖く、上の子を保育園に連れて行ったらすぐに病院に向かい、2時間ほど一緒に過ごしたら近くでお昼ご飯を食べ、また1時間ほど一緒に過ごす日々でした。

容態が落ち着いてきて、大きな治療が無い時期は1〜2時間ほど過ごしたら帰宅していました。

面会に行ったらすぐに看護師さんから面会時間以外の様子を聞き、おむつ替えや体温測定をし、タイミングが合えば抱っこをさせてもらいました。その後は2人の負担にならないよう、保育器に戻し、名前を呼んだり話しかけたり、写真や動画を撮ったりして過ごしました(デジカメなら撮影OK)。

まだまだ寝ている時間が長い時期だったので、その間は搾乳をしたり、看護師さんに気になっていることを相談したり、今後の治療予定や授乳、沐浴などの説明を受けたりして過ごしました。

搾乳は、専用の部屋で電動の搾乳機を借りてしていたのですが、日々慌ただしさで疲れて、よく寝かけながらやっていたことを思い出します。今では良い思い出です。

手術を控えていたり、まだまだ疾患の可能性も否定できなかったので、不安な気持ちはずっとありましたが、我が子の顔や成長を見たり、看護師さんからいろんなことを教えてもらった時間は楽しい時間でもありました。

また、夫が仕事が休みの日は一緒に面会に行き、家族で過ごしました。そして、申請をすれば祖父母面会も可能だったため、他県からサポートに来てくれていた私の母も一度だけ面会に行きました。たくさんの管がつながった様子には正直驚いたようでしたが、「会えて本当に良かった」「とっても可愛い」と言ってくれた時は、「やっと孫に会わせてあげることができた」と私も安心しました。

カンガルーケアと親子の時間

カンガルーケアをした日

生後5週の修正月齢32週、待ちに待ったカンガルーケアができました。

 カンガルーケアとは

赤ちゃんを裸のまま親の素肌の胸に抱っこするケア方法。体温安定、心拍・呼吸の安定、愛着形成を促進し、母乳分泌の促進やストレス軽減にも効果的。早産児の保育や精神的発達にも良い影響を与えると言われています。

夫はお兄ちゃん、私は弟を抱っこ。小さな体なのにとても温かく、素肌はスベスベで良い匂いがして幸せいっぱいの時間でした。まだ呼吸器と点滴はつながっていたため、身軽な格好ではありませんでしたが、2人とも心拍や呼吸も落ち着いていて、少しは親の安心感を与えることができたのかな?と思いました。

私たち親の方も、我が子の温もりで眠くなってしまったため、1時間ほどでケアを終えました。

このカンガルーケアを通して、やっと心の底から「双子はちゃんと元気に生きているんだ」という安心感を得られたように感じました。

授乳の練習

生後6週の修正月齢33週、それまで母乳やミルクはチューブを通して胃へ直接送っていましたが、ついに直母の許可が出ました

慣れるまでは吸うことに集中しすぎて呼吸を忘れてしまうため、本当に少しの間だけモニターを見ながら哺乳瓶の乳首やおっぱいを「吸う」練習を繰り返しました。

我が家の場合、弟の方が吸うのが得意で、割と呼吸を乱すことなく吸ってくれました。お兄ちゃんの方は呼吸が乱れることが多く、むせることも多かったので少しスローペースで練習していきました。

直母の許可が出た頃は、2人とも1回のミルク量は約30mlほど。面会時におっぱいを吸う練習を5分ほどし、その頃はまだチュッチュと吸うだけで母乳を飲めてはいなかったので、吸えそうなら哺乳瓶で搾乳を飲まし、呼吸が辛そうな時は以前と同じようにチューブを通して飲ませました。

面会のたびにおっぱいを吸う練習をしていましたが、3週間ほどは吸えていても母乳は飲めていない(飲む前後で体重を計っても変化がない)状態が続きました。

自分の飲ませ方が悪いのかな?とか発達に問題があるのかな?と落ち込みましたが、ある日突然、弟が10ml飲めるようになったことを境目に、どんどん直母で吸える量が増えていきました。お兄ちゃんも突然コツを掴んだようで、哺乳瓶でも50mlほど完飲できるように。

焦らずにその子のペースに合わせて、根気よく練習を繰り返すことが大事なのだと実感しました。

沐浴デビュー

沐浴デビューは、お兄ちゃんが生後約3週の修正月齢31週、弟が手術後ということもあり生後約5週の修正月齢32週でした。

沐浴ははじめの頃は1週間に1回で、修正月齢36週以降は2〜3日に1回しました。面会時に難しい場合は、看護師さんにお願いしました。

「やっとできる」と思いましたが、上の子の新生時期と比べてもかなり小さくてふにゃふにゃで、戸惑いがありました。

さらに、はじめの数回は呼吸器と点滴を繋げたままそれらにお湯をかけないようにしなければならなかったため、体勢も辛く、正直ゆっくりと丁寧に洗ってあげることが難しかったです。

沐浴用の流しまで連れていくこともできなかったので、お湯や道具を準備して保育器の横まで持っていくのも大変で、私たち親は毎回汗だくでした。

呼吸器や点滴が外れた後は、コットで沐浴スペースまで移動してすることができました。

沐浴のたびに体重や大きさの変化や傷の回復が確認でき、大変だけど楽しみで安心できる時間でもありました。

呼吸器の変化と少しずつ外れるチューブ

呼吸器の種類や酸素量が変わったときは、一喜一憂していました。

2人とも、少しずつ呼吸は安定していったものの、お兄ちゃんは無呼吸になる頻度が多かったこと、弟は手術のたびに呼吸管理があったことなどから、呼吸器の種類や酸素量はコロコロ変化していました。

ちょっとでも良くなると飛び跳ねるくらい嬉しかったけれど、また戻ったと聞くと不安に襲われる。それの繰り返しでした。

あの時は不安だらけで、ずっと呼吸器生活が続いてしまうのではと感じていましたが、今思うとちゃんと段階的に良くなっていて、順調に呼吸が安定していったように感じます。なので、あまり心配しすぎなくて大丈夫ですよ。

▼生後すぐの2人の呼吸状態について、詳しくはこちら

【双子出産】妊娠28週で生まれ、NICUに入院|生まれた日の状態と母の正直な気持ち(NICU編 1/6)はじめに この記事は「NICU編(全6回)」の第1回です。 私は2024年に双子を妊娠しましたが、妊娠24週で破水し約1ヶ月間入院。...

退院が決まった日のこと

兄は約3ヶ月、弟は約5ヶ月の入院

生後約2ヶ月経った修正月齢36週に弟、修正月齢37週にお兄ちゃんの呼吸器が取れました。呼吸器の管が無く、スッキリとした顔が見れた時は涙が出るほど嬉しかったです。

弟はその後も腸の手術を控えていたため、しばらく入院予定でしたが、お兄ちゃんは無呼吸発作が3日間起こらなければ退院できることを告げられました。

そして、生後約3ヶ月経った修正月齢0歳2週、体重も3000gを超えて無呼吸発作も3日以上起こらなかったことから、お兄ちゃんが退院しました。

弟はお兄ちゃんの退院後、無事に3000gを超えたところで腸のストーマを閉鎖する手術を実施。無事手術を乗り越え、母乳やミルクがしっかり飲めるようになった生後約5ヶ月の修正月齢0歳2ヶ月に退院しました。

▼双子がNICUで受けた治療や手術の内容はこちら

【双子出産】妊娠28週で生まれた双子のNICU治療と成長記録|不安の中で感じたこと(NICU編 2/6)NICUに入院した双子の治療は、正直なところ専門的なことはよく分からないまま始まりました。 人工呼吸器や点滴、たくさんのモニターに囲ま...

退院許可が出た日の気持ち

「退院」という言葉が出た時、夢にまで見た瞬間でとても嬉しく思いましたが、同時に不安な気持ちも湧いてきました。

お兄ちゃんは無呼吸発作が頻発していたため、もし退院して家でも起きてしまったらどうしよう、と正直怖かったです。弟も、腸の手術をしているため、家で何か異変があったらどうしようと考えてしまいました。

今まで危険な状態を見てきたからこそ、自然に感じてしまった気持ちだったように思います。

それでも、喜ばしいことには変わりなかったので、不安な気持ちは素直に看護師さんに相談し、退院後にどんなことに気を付ければいいか教えてもらいました。

  • いつもと様子が違ったらすぐに病院に連絡すること
  • 呼吸状態が不安ならベビーセンサーをつけること
  • パパと交代でお世話すること

ママだけがずっと2人に張り付いて様子を見たり、寝ている間も呼吸を気にしていると、寝不足や疲労で倒れてしまいます。その間に2人分の授乳や搾乳もあるから尚更です。

睡眠不足はマイナス思考になりがちですし、正常な判断もしにくくなります。お世話はパパと交代制にし、少しでもまとまった睡眠を増やすことをおすすめします

また、必ずしも安全とは言い切れませんが、呼吸を感知し、一定時間呼吸が感知できなければ音で知らせてくれるベビーセンサーを使うことで気持ちと体がグッと楽になりました。

マットタイプは相方の呼吸を拾う可能性もあると考え、私はおむつにつけるタイプのこちらの商品を愛用。寝かす場所を選ぶことなく使えたのも良かったです。


体動センサ スヌーザヒーロー SNH-S01 医療機器 ベビーセンサー Snuza HERO SE 日本総代理店 振動、アラームの両機能で見守り 国内保育園 赤ちゃん ベビーセンサー ベビーアラーム アラーム ベビーモニター セーフティグッズ SIDS Simpex 送料無料

結構感度がよく、ズレてしまっていた時はちゃんとアラームが鳴っていました。誤作動で手間取るときもありましたが、「何もなければ良かったで済むからいいかな」と思い、半年ほど使用していました。

赤ちゃんが寝ている間、呼吸しているかつい確認してしまう…という方はぜひ検討してみてください。私はこのセンサーのおかげでまとまって寝れることが増え、面会や日々の生活も無理なく頑張れました。

NICUで学んだこと|親としてできること

NICUで過ごした日々は、常に不安と隣り合わせ。呼吸器や点滴の変化に一喜一憂し、退院が決まっても心配は尽きませんでした。

それでも、嬉しい瞬間もあったし、振り返ってみると私たち親にもできることはたくさんありました。

毎日面会に行くこと。小さな手や足に触れること。名前を呼び、声をかけること。焦らず、その子のペースを信じること。

特別なことではなくても、「そばにいる」という時間が、確実に親子の絆を育ててくれていたのだと思います。

NICUで過ごした日々は、決して“何もできない時間”ではありませんでした。

今、同じように頑張っているご家族の方へ。
赤ちゃんは、ちゃんと少しずつ前に進んでいます。そして、あなたもちゃんと“親としてできること”をしていますからね。

 

※この記事は、一個人の体験記録です。

症状や経過には個人差がありますので、体調や治療については必ず医師・医療機関へご相談ください。

本記事にはアフィリエイト広告が含まれます。