はじめに

「手術が必要です」

NICUでそう告げられた日のことは、今でもはっきり覚えています。

小さな体で頑張っている我が子に、さらに手術が必要だなんて——正直、頭が真っ白になりました。

わが家の双子は、NICUでそれぞれ心臓の手術を、そして弟は腸の手術も経験しました。

この記事では、

  • 手術を告げられたときの気持ち
  • 当日の流れや待ち時間のリアル
  • 手術後の経過と親の心の変化

を、実体験ベースでまとめています。

「NICUで手術と言われたけど、何が起こるの?」
「親はどうやって乗り越えたの?」

そんな不安を抱えている方に、少しでも参考になれば嬉しいです。

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NICUで手術が必要と言われた日|告知の瞬間と親の気持ち

NICUにいるだけでも不安な毎日。

そんな中で「手術が必要」と告げられたときの衝撃は、今でも忘れられません。

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医師から「手術が必要」と告げられた日のこと

初めて告げられたのは生後13日の時で、弟の壊死性腸炎の手術でした。

いつも通り面会に行くと、たくさんのスタッフが弟の周りで慌ただしく準備を進めている状態。この日の4日前から腸の具合が悪いため絶食や抗生物質で様子を見ていましたが、レントゲンで腸に穿孔(穴)が確認され、緊急で手術する必要がありました。

その場ですぐ、担当医から「手術が必要です」と言われた瞬間、頭が真っ白になりました。

危険な状態だったため、その場ですぐに手術の説明があり同意書にサイン。突然のことで現実味もなく、夢なんじゃないかと思うほどでした。

NICUで手術と言われたときの正直な気持ち

正直、とても怖かったです。

いろんなリスク、後遺症、最悪のケース——次々に説明されるたび、心がえぐられるような感覚。

ただでさえ小さな体で頑張っているのに、さらに手術を乗り越えなければいけない現実が、すぐには受け止められませんでした。

「どうしてこの子たちが?」「無事に終わるの?」

不安ばかりが頭の中を埋め尽くし、気持ちが追いつかないまま説明を聞いていたのを覚えています。

NICUで過ごす日々は、ただでさえ心が揺れるもの。そこに「手術」という言葉が加わることで、不安は一気に大きくなりました。

不安と混乱の中で考えていたこと

不安や恐怖で辛かったですが、おそらく一番辛い思いをしているのは本人である双子たち。それに気付いてからは、「親である私たちが怖気付いていてどうする!」と思うようになりました。

確かに手術は怖いし、術後も痛い思いをしますが、手術によってこの子たちの身体がグッと楽になるのも事実。まだ自分の身に何が起こっているかもわからない状態で手術をするのですから、きっと私たちよりも怖いはず。

私たちは親として安心感を与えることしかできないと思い、手術前はなるべく笑顔で、そしてたくさん手を握り、「待ってるよ」と伝えました。

NICUでの心臓手術(動脈管閉鎖術)の流れ|双子が同日に受けた記録

双子はどちらも心臓の手術(動脈管閉鎖術)を受けることになりました。

動脈管閉鎖術とは?どんな手術か

生後3日目、担当医から、本来生まれたら自然に閉じるはずの動脈管が閉じていない「動脈管開存症」であることを説明され、それに対して薬剤での治療が開始されました。

 動脈管開存症とは 

※当時、医師から説明を受けて理解した範囲でまとめています。

出生後、自然に閉じるはずの動脈管が閉じない状態。早産で小さく生まれた赤ちゃんの場合、閉じにくいケースがあると言われています。動脈管が閉じないと、心臓には多く血液が流れ、一方で脳や腎臓などの臓器には血液が不足するという事態になります。そのままにしておくと体のあらゆる場所に負担がかかるため、薬剤や手術で動脈管を閉じる必要があります。

しかし、薬剤の治療でもなかなか閉じず、このままでは他の臓器にも負担がかかり続けてしまうため、手術をすることが決まりました。

今回行った「動脈管閉鎖術」という手術は、NICUでは比較的行われることのある手術ですが、それでも親としては不安でいっぱいでした。

双子が同日に手術を受けることになった経緯

さらに我が家の場合、双子が同じ日に手術を受けることに。

元々はお兄ちゃんだけ手術を受ける予定でしたが、手術をしてくれる医師が他の病院の医師で、いつでも手術ができるわけではなかったため、都合の付く同日に手術することになりました。

1人でも心配なのに、2人同時。しかも弟は、腸の手術をした5日後。
正直、現実を受け止めきれず、ただ時間が過ぎるのを待つしかありませんでした。

手術時間や流れ

手術時間は1人あたり約1時間ほど。手術は全身麻酔で行われました。

 動脈管閉鎖術とは 

※当時、医師から説明を受けて理解した範囲でまとめています。

生まれつき開いたままの動脈管(動脈管開存症)を閉じる治療法で、主にカテーテル治療(閉鎖栓やコイルで内側から塞ぐ)と、開胸手術(直接縫合やクリップで閉じる)の2種類があります。最近は体への負担が少ないカテーテル治療が主流になりつつありますが、患者さんの状態によって適切な治療法は異なります。

手術前後で親が感じたこと

手術前は「無事に終わりますように」と祈ることしかできませんでした。状況を良くするために手術をするのはわかってはいましたが、それでも、マイナスなことばかり考えてしまい不安でたまらなかったです。

手術が終わった後は、2人の顔を見た瞬間にふっと力が抜けたのを覚えています。

「無事に戻ってきてくれた…」

所要時間の短い手術でしたが、何事もなく終えて戻ってきてくれたことが本当に嬉しかったですし、改めて携わってくれたスタッフの方々に感謝の気持ちでいっぱいでした。

壊死性腸炎による腸の手術の記録|3回の手術とストーマ経験

弟は心臓の手術に加え、腸の手術も経験しました。

壊死性腸炎による穿孔が見つかったとき

手術をした4日前から炎症反応が起きていて、絶食と抗生物質でこれ以上悪化しないように様子をみていました。しかし、生後13日目にレントゲンで壊死性腸炎による穿孔が見つかり、緊急手術となりました。

 壊死性腸炎とは 

※当時、医師から説明を受けて理解した範囲でまとめています。

腸管の粘膜が損傷・壊死する重篤な病気で、主に未熟な早産児に起こります。腹部の張り、嘔吐、血便などの症状があり、進行すると腸に穴が開いて腹膜炎や敗血症に至ることもあり、絶食、抗菌薬、全身管理が基本で、重症例では手術(人工肛門など)が必要になることも。原因は腸の未熟性、低酸素状態、腸内細菌の異常などが複合的に関与すると考えられています。

1回目の手術(生後13日|穿孔部切除+ストーマ造設)

腸管が損傷すると、腹膜炎や敗血症など命に関わることになるため、穿孔していた部分を切除し、ストーマを造設する手術が行われました。

 ストーマ(人工肛門)とは

※当時、医師から説明を受けて理解した範囲でまとめています。

病気や事故などで肛門や尿道を使えなくなった場合に、手術でお腹に作られる便や尿の新しい排泄口(人工肛門・人工膀胱)のこと。腸や尿管の一部を体外に出して造られ、ストーマ装具(採便・採尿袋)を使って排泄物を溜めていきます。

2回目の手術(体重3000g超|腸をつなぐ手術)

生後3ヶ月経ち、体重が3000gを超えたタイミングで、ストーマを閉じて腸同士をつなぐ2回目の手術を行いました。

手術に向けて体重を増やすことはもちろんのこと、定期的にストーマに栄養剤を流し、使っていない側の腸を動かして太さを調整するなど、様々な準備が行われました。

造影剤での検査で腸の状態をチェックし、準備が整ったところで手術を実施。無事に終え、ストーマが無くなったお腹を見た時は涙が溢れました。

3回目の手術(再穿孔による再手術)

ストーマが外れ、喜んでいたのも束の間。

2回目の手術の6日後に、つなぎ合わせた部分の少し手前側の部分に再び穿孔が確認され、さらにもう一度、腸の一部を切除してつなぎ直す手術を受けることに。

やっと手術の心配から逃れられたと思っただけに、大きなショックでした。

それでも、命を助けるためには手術をするしかない。ショックと不安で涙が出ましたが、弟とスタッフの方々を信じるしかないため、家族みんなでNICUの前で弟の帰りを待ちました。

手術は無事に終了。そして、これが本当に最後の手術となりました。

再び危険な状態だったところを救っていただき、スタッフの方々には感謝の気持ちでいっぱいでした。

腸の手術で説明されたリスクと親の不安

医師からはリスクについても詳しく説明があり、正直「無事に帰ってきてくれるのか」という不安が大きかったです。

全身麻酔を行うため、予想外な突発的症状が起こる可能性があること、出血や感染、臓器破損などの可能性があることなど。

いくら麻酔で眠っているといっても、小さな小さな体にメスをいれ、このようなリスクが起こる可能性があることを想像しただけで徐々に恐怖が増していきました。

しかし、担当医師はしっかりと不安に寄り添って声をかけてくれました。

「このように説明されると不安ですよね。しかし、これらが起こることは本当に稀です。なるべく弟くんにかかる負担を最小限にできるよう迅速に手術しますので、どうか安心して帰りを待ってあげてください。

それまで恐怖でいっぱいだった心が、少し和らいだ気がしました。

手術時間と待ち時間のリアル

手術時間は3時間。待っている時間は本当に長く、数分おきに時計を確認しては、まだかと落ち着かない時間が続きました。

じっとしていても不安で苦しかったので、NICUにいるお兄ちゃんのそばで待っていました。まだまだ意思疎通できるわけではないけれど、なんとなく弟の帰りを待っているようにも感じて、心強く感じました。

その後も搾乳をしたり、軽食を食べたりと、なるべく普段と同じように過ごして気を紛らわせました。

「手術室から帰ってきます!」と看護師さんから連絡を受けただけでも涙が。無事にNICUに戻ってきて顔を見た時は本当に気が抜けるほどでした。

これだけの手術を乗り越えた彼は本当にすごい!と、改めて息子の強さに感動しました。

手術後の経過と現在の様子|NICU退院後の成長記録

手術後の経過は、ありがたいことに順調でした。

術後の経過

心臓の手術については、2人ともその後の経過観察は特に必要ないと言われています。

弟の腸の術後経過も順調で、3回目の手術の後は外科的処置はありません。

ストーマ周りのトラブルと対処

腸については、1回目の手術の後、ストーマ周りの肌トラブルや、体重がなかなか増えない時期もありました。

しかし、肌トラブルは薬や保湿剤で、体重に関しては点滴でカロリーを摂ることで改善していきました。

退院後の通院

退院後もしばらくは2〜3ヶ月に一度、小児外科を受診。2回レントゲン検査もしましたが、現在はその検査も必要なくなりました。

当初は「将来的に便がゆるくなる可能性もある」と言われていましたが、現在は特に問題なく、食事や消化も一般的な生活と変わりありません。

診察でも、「手術をしたとは思えないほど、腸の状態はいいですよ!」と言われ、本当にホッとしました。

現在の様子(1歳10ヶ月|発達・健康状態)

現在1歳10ヶ月。発達や体の成長は少しゆっくりですが、元気に保育園に通い、毎日よく動き回っています。

2人とも手術の傷はあるものの、至って健康体。NICUにいる頃には考えられなかった景色があり、治療に携わってくれた方々に感謝する日々です。

両手に乗るほど小さかった2人が、立派に成長したこと、本当に奇跡のようなことが起きているなぁと感じます。

NICUで手術を経験した家族へ|不安なあなたに伝えたいこと

もし今、NICUで手術を控えて不安な気持ちでいる方がいたら伝えたい。

あの時の私も、同じように不安でいっぱいでした。「大丈夫」と簡単には言えません。それでも、乗り越えた今だからこそ思うことがあります。

小さな体でも、子どもは本当に強いということ。

そして、親もまた、想像以上に強くなれるということ。

不安で押しつぶされそうな日もあると思いますが、どうか一人で抱え込まないでください。

この経験が、少しでも誰かの心を軽くできたら嬉しいです。

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本記事は個人の体験をもとに記録したものであり、医療的な判断は必ず医師の指示に従ってください。