はじめに

妊娠中は予期せぬトラブルが起こり、突然入院となるケースも少なからずあります。

私は双子妊娠24週0日、健診後に突然破水し、そのまま救急搬送されMFICUへ入院することになりました。

この記事では、私自身の体験をもとに、MFICU入院初日に実際に行われたことや、その後の生活について以下の内容をまとめています。

  • 緊急入院時に行われた処置について
  • MFICU(母体・胎児集中治療室)とはどんなところか
  • 破水後の入院生活について

破水かもしれないと不安を感じている方、双子妊娠や早産リスクが気になる方の参考になれば幸いです。

▼前回の記事はこちら

【双子妊娠】妊娠24週で破水|高位破水の症状と救急搬送までの経過(MFICU編 2/11)双子妊娠中のMFICU入院生活の実際。安静管理や点滴、日々の過ごし方、精神的な不安について体験談をまとめています。...

破水後の緊急搬送先での処置

搬送後に行われた処置

搬送先の病院に到着してすぐ、体温や血圧など基本的な測定や今の状況の確認などが行われました。

すぐに担当の先生が到着し、まずは内診と経腹エコーを行い、双子が今どんな状況にあるか確認をしました。

2人ともしっかりと心臓は動いており、身体には特に異常は見られませんでした。

自分に起こっていることが理解できず不安や恐怖でいっぱいでしたが、双子が元気でいることがわかり、ママである自分がしっかりしなきゃ!と冷静になれました

破水の状況が明らかに

この時、弟の方(お腹の中で上の位置にいる子)の羊膜に穴が空いていることが判明しました。恐らくここから羊水が漏れていたようです。

破水しているということは感染リスクがあるため、抗生剤の点滴を開始しました。

その後、お腹の張りを抑えるため、リトドリンという張り止めの点滴も開始しました。

続いて、赤ちゃんの肺の成長を促すため、私の腕にステロイドを注射しました。

家族と会えないまま入院に

病院に着いたら一度くらいは夫に会えると思っていましたが、夫は処置室に入ることができなかったため、この日は前の病院で別れたきり会えず、状況説明も電話ですることとなりました。

入院後はパートナーとの面会は決まった時間なら可能なため、夫とは後日また会う約束をしました。

しかし、子どもの場合は面会ができなかったため、娘ちゃんとは出産して退院するまでは会えないということになりました。

これがかなりショックでした。早く娘に会いたいけど、それは出産した時。出産は1日でも先の方がいいから、娘に会うのもまだ先の方がいいということ…。

寂しさともどかしさで胸が苦しかったです。

病室へ移動|不安な気持ちが押し寄せる

今すぐ陣痛が来るという状況ではなかったため、そのまま車椅子ですぐに病室へ移動となりました。ひと段落したのは17時頃で、破水してから5時間ほど経っていました。

朝から心も身体も忙しなく、ずっといろんな機械の音や先生たちの言葉が飛び交っていていたため、病室で1人になると一気に寂しさや不安が湧き上がってきました。

双子の命、自分の命、出産時の恐怖、家族の心配、お金のこと…いろんな不安が押し寄せてきて、今自分にできることが何なのか、わからなくなってしまいました

しかし、お腹の双子は破水したにも関わらず懸命に生きていて、夫も「娘ちゃんのことは心配いらないから」と声をかけてくれ、先生方や助産師さんも「一緒に頑張りましょう」と励ましてくれました。

ここには自分の味方しかいない!と吹っ切れ、とにかく1日1日を穏やかに過ごすことを、少しずつ決心していきました。

MFICUとは

MFICUの役割

MFICU到着後、私は初めてこの言葉の意味を知りました。

MFICUとは

「Maternal Fetal Intensive Care Unit」の頭文字を取った略称で、日本語では「母体・胎児集中治療室」と訳されます。

母体および胎児に高度な医療管理が必要なハイリスク妊娠に対応するための専門治療室です。

妊婦に重症妊娠高血圧症候群・重篤な合併症・多胎妊娠などのリスクがある場合や、胎児に切迫早産・疾患が予想される場合に入院します。

ハイリスク妊娠・切迫早産などで入院する病棟

私のように前期破水で切迫早産の危険がある場合、MFICUで集中的に管理することで、少しでも長く妊娠を継続させることを目指します。

多胎妊娠、胎児発育不全、切迫早産、前期破水、妊娠高血圧症候群などのハイリスク妊娠やハイリスク分娩・産褥の方を対象としています。

個室環境とプライバシー保護

それぞれが個室であるためプライバシーにも配慮した設計になっています。

私が案内された部屋も完全個室でした。ベッド、モニター類、トイレ、洗面台が備え付けられていて、プライバシーが守られる空間です。

個室であることで、家族との面会時や電話の時も周りを気にせず過ごせるし、何より、不安な気持ちを抱えながら過ごす中で自分だけの空間があることは精神的にも救われました。

24時間体制の医療サポート

患者さんの状況に応じてNICU・GCU・小児科のほか、さまざまな診療科と連携を図りながら24時間体制で対応します。

ナースステーションは病室のすぐ近くにあり、何かあればすぐに看護師さんが駆けつけてくれる環境です。

夜中でも定期的に見回りに来てくださり、「赤ちゃんたちは元気ですよ」と声をかけてくれました。3対1看護体制で高度専門的な医療を提供しているため、一般病棟よりもはるかに手厚いケアを受けることができます。

この24時間体制のサポートがあることで、「何かあってもすぐに対応してもらえる」という安心感が生まれました。

入院費について

MFICUは集中治療室のため、入院費用が高額になることが心配でした。

しかし、高額療養費に該当する場合があります。事前に限度額認定証の手続きをしておくことをおすすめします!

私の場合、上の娘ちゃんの妊娠中に切迫流産で入院した時に一度申請した経験があったため、今回は早めに用意していました。(申請して手元に届くまで少し時間がかかります)

この制度を利用することで、窓口での支払いが自己負担限度額(収入などによる)までとなるので、経済的な不安が少し軽くなりました。

一度全額払って後からでも差額分の請求はできますが、退院後や産後はバタバタして面倒になってしまうので、早めに申請しておくと安心です。

破水後の安静生活

破水後の感染予防(抗菌薬投与)

破水しているということは感染リスクがあるため、 搬送後すぐに抗生剤の点滴を開始しました。

抗生剤の点滴は入院した日から3日間続き、その後は内服薬に変更されました。

安静の指示(トイレ、シャワー以外ベッド上)

基本的にはベッド上で安静に過ごすように言われました。

シャワーは入れないのではと思っていましたが、この病院では体を清潔に保つために、1日1回シャワーOKでした。

シャワーは病室を出てすぐのところだったので、あまり歩くこともなく、空いている時に点滴の部分さえカバーしてもらえばいつでも入って大丈夫でした。

トイレは病室内にあり、破水している影響で普通に過ごしていても羊水がチョロチョロと出ていたので、こまめにナプキンを替えて羊水の様子もチェックするように言われていました(血が混じってないかなど)。

飲み物は部屋を出てすぐのところに給茶器があり、好きな時に汲みに行っていましたが、基本的に動かない方がいいため、定期的に補助員さんがタンブラーに入れてきてくれました。その配慮がとてもありがたかったです。

胎児心拍モニター(NST)の装着

私の場合はいつ陣痛が来るか本当にわからない状況だったため、朝・昼・晩と1日3回NSTをしていました。

これが私も看護師さんもなかなか大変。双子のため、装着とそれぞれの居場所を見つけるにも一苦労ですし、私のお腹もこの時すでに単児の臨月に近いくらいだったのでずっと同じ姿勢だと腰が痛くて辛かったです。

やっと心音が2つ取れたと思ったら、数分後に赤ちゃんが動いてやり直しということもよくありました。

長い時は1回1時間以上かかってしまい結構辛かったですが、聞こえてくる力強い心音は、赤ちゃんたちが元気だという証拠でもあったため、頑張ることができました。

点滴治療について

担当の医師によると、張り止めのリトドリンの点滴に関しては、入れてるからといって陣痛が抑えられるわけでもないし、あまり長く入れ続けても私の身体にも負担がかかるとのことで、とりあえず2週間ほど入れてみようということになりました。

張り止めは副作用が結構強く、手の痺れや身体の火照りなどが辛いことがあります。

しかし、先生や看護師さんに相談して量や部屋の環境も配慮していただき、数日で慣れてきました。

私の場合は、状態が安定したという理由から、入院から12日経ったところでリトドリンの点滴は中止となりました。

妊娠24週で破水した場合のリスク

医師から説明された出産リスク

MFICUに入院した日、担当医師から破水について詳しい説明を受けました。

「24週での前期破水は、非常に深刻な状況です」

その言葉を聞いて、改めて現実を突きつけられた気がしました。

医師から説明されたリスクは以下のようなものでした。

妊娠24週で破水した場合のリスク

医師からは、次のような説明を受けました。

【感染のリスク】

細菌感染が起これば、早産が引き起こされるだけでなく、赤ちゃんにもママにも重大な影響が及ぶ可能性がある。

【早産のリスク】

破水後、24時間以内に陣痛が来る可能性が高い。数日で出産に至るケースが多い。

【赤ちゃんへの影響】

早く生まれれば生まれるほど障害が起こる割合は増加し、症状も重くなる傾向にある。

妊娠28週未満で出産された赤ちゃんは生命の維持に必要な器官がまだ未熟な状況でありNICU(新生児集中治療室)での集中的な管理が必要となる。

正直、怖くて仕方ありませんでした。「自分の手に2人の命がかかっている」という責任はとても重くのしかかりました。

しかし、医師の次の言葉が希望をくれました。

24-25週での赤ちゃんの生存率

「赤ちゃんたちの生存率は決して低くありません。」

医師から提示されたデータがありました。

妊娠24~25週での早産の赤ちゃんの生存率は、86.5%です。

ここ20年で医療の進歩と共に、小さく生まれて来た赤ちゃんの生存率も大幅にアップしています。現在の週数別の生存率は24~25週で86.5%、26~27週で94.0%と徐々に高くなってきて おり、28~29週で96.7%、30~31週で97.5% まで上がります。

この頃の赤ちゃんの体重は平均で600~700g台まで増えており、現代の医療では、出生時体重が700g以上あると約90%以上の生存率が見込めるとされています。

「86.5%…」数字を聞いて、少しだけ希望が見えました。

確かにリスクは大きい。でも、希望もある。

「できるだけお腹の中で育てる」目標

28週では胎児の体重も約1000gを超え、生存率は95%にグンと上がります。

つまり、この28週を超える事がとても意義のあることです。

医師からは明確な目標を示されました。

まずは28週を目指しましょう。できる限り妊娠を継続して、赤ちゃんたちをお腹の中で育てます。」

28週まであと4週間…。

普段の生活とは違う、寝たきりの状態での4週間。

先の見えない不安が渦巻いて辛かったですが、お腹の赤ちゃんたちのためにも頑張るしかない!と思いました。

1日でも長く妊娠を継続する重要性

在胎週数が26週を超えると、生存率も9割を超えるため、なるべく長く赤ちゃんをお腹の中に留めておくことが大切です。

3歳になったときの発達を比較した別の研究では、在胎期間が短いほど合併率が高いことが明らかですが、特に発達遅延の割合は在胎週数22週から28週まで週数毎に低下し、29週以降は約10%で横ばいという事が明らかになっています。

つまり、1日でも、いえ、1時間でも長くお腹の中にいることが、赤ちゃんたちの未来を大きく変えるということ。

医師や看護師さんたちは、「お母さんは今、赤ちゃんたちを守る大切な役目をしていますよ。」と何度も励ましてくれました。

入院生活は不安でいっぱい。動けない、家族に会えない、いつ生まれるかわからない恐怖。

でも、「1日でも長く」という目標があるから頑張れました。

まとめ

MFICUでの入院生活は不安と恐怖でいっぱいでしたが、医療スタッフの支えと「1日でも長く」という目標で、前を向いて頑張ることができました。

わからないことだらけでしたが、医師や看護師さんに相談したり、不安なことは教えてもらったりすることで、少しずつ自分の状況を受け入れ、穏やかに過ごすことができたと思います。

次回は、入院中のメンタルケアについてお話しします。

  • 毎日が不安…どう乗り越えた?
  • 入院中に心がけたこと
  • 家族とのコミュニケーションについて

1ヶ月の入院生活、精神的にどう過ごしたのか。

同じように入院されている方の参考になれば幸いです。

▼次回の記事はこちら

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この記事は、妊娠中の一個人の体験記録です。
症状や経過には個人差がありますので、体調や治療については必ず医師・医療機関へご相談ください。