はじめに

この記事は「NICU編(全6回)」の第1回です。

私は2024年に双子を妊娠しましたが、妊娠24週で破水し約1ヶ月間入院。そして妊娠28週で約1000gの双子を出産しました。

2人とも無事に生まれてくれましたが、「とりあえず無事に生まれた」という安心と、「これからどうなるんだろう」という不安が同時に押し寄せてきたのを覚えています。

この記事では、双子が生まれた日のこと、生まれた直後の状態や正直な気持ちについて、当時の記憶をたどりながらお話しします。

同じように双子妊娠中の方、早産のリスクを抱えている方、我が子がNICUに入院している方に、 私の体験が少しでもお役に立てれば幸いです。

▼MFICU編はこちら

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妊娠28週で誕生した双子

出産までの流れ

双子を妊娠し、順調な妊婦生活を送っていた私。しかし、妊娠24週になったその日、夫と2人で外食中に突然破水してしまいました。

この時はまだ破水なのかどうかわからなかったため、すぐにかかりつけの産婦人科に連絡。緊急受診して破水していることがわかり、すぐに設備の整ったNICU(新生児集中治療室)がある病院へ搬送されることになりました。破水している場合、24時間以内に陣痛がきて出産になる可能性が高いからです。

この時、お腹の双子はまだ600g台。生まれてしまうと命の危険が高い状況でした。

私の場合、破水以外は大きな問題が無かったため、1日でも長くお腹の中で育てることが重要でした。そのため、MFICU(母体・胎児集中治療室)でできる限りの治療をし、安静に過ごすこととなりました。MFICUでの生活や治療についてはぜひこちらをご覧ください。

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いつ生まれてしまうかわからない恐怖や不安で渦巻く入院生活。しかし、スタッフや家族の言葉、お腹の中の2人のモニター中の元気な心拍や胎動に励まされ、少しずつ前向きに安静生活を送れるようになりました。

そして、入院してから4週間後の妊娠28週。陣痛がきてそのまま帝王切開となり、お兄ちゃん1081g、弟928gで無事に誕生しました。

無事に生まれたけれど…

破水してから4週間お腹で育てることができ、生まれた時は「何とかここまで頑張れた…!」と思っていましたが、やはり生まれた我が子はとても小さくて、触れると壊れてしまいそう…。

無事生まれてくれたこと自体はとても嬉しかったですが、これからもたくさんの治療と向き合っていかなければならないと考えると、喜んでばかりはいられませんでした。

▼双子弟との初対面。私の手と比べてわかるように、とても小さいです。

生まれた時の2人の状態

体重・呼吸・見た目の印象など

お兄ちゃん
体重1081g928g
身長34.2cm35.3cm
呼吸の状態新生児一過性多呼吸異常なし
見た目の印象頭の形がまん丸、きれいな寝顔だった目が開いていてかわいかった、でも少ししんどそうな表情だった

2人とも直ちにNICUの先生が治療をしてくださったことで、命に別状はありませんでした。

体重は、お兄ちゃんが1081gで極低出生体重児、弟が928gで超低出生体重児に分類されます。

 低出生体重児とは

出生体重が2500g未満で生まれた赤ちゃんのこと。出生体重2,500g未満の赤ちゃんを低出生体重児、1,500g未満であれば極低出生体重児、1,000g未満であれば超低出生体重児と言います。

呼吸は2人とも不安定なため、すぐに呼吸器が付けられていました。弟は不安定ながらも落ち着いていましたが、お兄ちゃんの方は新生児一過性多呼吸という診断を受けました。

 新生児一過性多呼吸とは

生まれたあと、肺から速やかに吸収されるはずの肺水が、その吸収を妨げるような問題(早産、出生前後でのストレス、新生児仮死など)によって、生まれた後も肺が水浸しの状態が続いてしまい呼吸障害が引き起こされること。症状は一過性で、多くは酸素投与や鼻マスクで改善しますが、時に人工呼吸管理が必要なことも。

小さく生まれた赤ちゃんにみられる代表的な病気、発達、栄養、搾乳の方法などの詳しい内容はこちら↓

治療を受けたあとは2人とも落ち着いていて、保育器越しですが順番に顔を見て、手に触れることができました。

お兄ちゃんは寝ていて、その寝顔がきれいで頭もまん丸で「かわいい!」と思ったのが第一印象です。弟はうっすらですが目が開いていて、まるで握った手に反応してくれたようで嬉しかったです。でも、少しだけぐったりしたようにも見えました。

医師から言われた言葉

出生後の治療は問題無く終わり、今のところ状態も落ち着いてると言われました。ただ、無事に生まれたと言っても、早産による体への影響はこれからも注意していく必要があること出生後72時間ほどはまだ何が起こるかわからないこと、などを伝えられました。

NICUへ入院したときの正直な気持ち

想像していたものとの違い

NICUに入るのは、今回の出産が初めてでした。治療室と言っても、赤ちゃんが過ごしている場所だから明るい雰囲気なのでは?と想像していました。

しかし実際に行ってみると…たくさんの機械、慌ただしい先生たちの様子、赤ちゃんたちが眩しくないよう暗めの照明。『命の危機』が感じられて、はじめの頃はとにかく緊張していたことを覚えています。

我が子たちがそばにいない寂しさ

面会時以外は病室で1人で過ごせたので身体的には助かりましたが、やはり近くの部屋から新生児の泣き声が聞こえると、気軽に抱っこできない寂しさ(保育器内でいろんな管が繋がっているため)や自由にお世話できない辛さが込み上げていました。

シャワーの際に新生児室の横を通るのですが、なぜか、本能的に目を向けることができませんでした。

だけど涙は出なかった

正直言うと寂しかったですが、涙が出ることはありませんでした。なぜなら、24週で破水してから目標としていた28週までお腹で育てることができ、2人ともしっかりと『生きているから』です。

ママとして今の私にできることは、母乳を届け、声をかけて優しく撫でてあげること。無事に生まれたことに感謝して、できることをやる日々でした。

面会に行く日々

搾乳を届けに1日6回はNICUへ

基本的に双子はずっとNICUの中で、私はフロアの違う産科病棟で過ごしていました。そして搾乳を持っていく時に、エレベーターでNICUがあるフロアへ行き、面会の書類を書いて(これが地味に面倒だった)30分ほど一緒に過ごしたらまた自分の病室に戻る、を1日5〜6回繰り返す日々でした。

産後すぐはできる限り近くで過ごすよう頑張っていましたが、帝王切開のダメージもあり、3時間ごとの搾乳で寝不足だったので、無理のない範囲で面会することを心がけていました。ママが倒れてしまっては元も子もありませんからね

本当にしんどい時は、母乳は看護師さんに届けてもらい、睡眠をとっていました。しっかり回復するためにも、無理は禁物です!

2人の顔を見ると笑顔に

思うように搾乳ができなかったり、そばでお世話できない寂しさもあってしんどいと思うこともありましたが、やはり2人の顔を見ると自然と笑顔になれました。たまに目を開けていることもあり、まだ私のことは見えてないはずですが何だかママの存在をわかってくれているような気がして嬉しかったです。

「この子たちは私が守るんだ。」自然とそんな気持ちが湧いてきました。

嬉しいことも、つらいことも

嬉しかったこと

母乳を飲む量が日に日に増えたり、呼吸器の酸素濃度が下がった(呼吸が少しずつ安定してきている)と聞いた時は嬉しく思いました。

また、点滴や呼吸器の管などもたくさん繋がっていましたが、体重測定の時など保育器から出す時に少しだけ抱っこできた時は感動しました。想像以上に小さくて軽くて、はじめは胸がギュッと締め付けられましたが、とっても温かくていい匂いがして涙が溢れました

つらかったこと

「今日はちょっとしんどそうで…」「この治療を増やします」など、先生から少しでも不安な話を聞いた時はその度に心臓がドキドキして辛かったです。小さな変化でも、か弱い2人にとっては命取りになるのかもしれないと思うと、悪い考えがグルグルと頭を支配することもありました。

また、産科病棟の新生児や、NICUにいる子でも2人より大きい子を見ると、「もっとお腹の中で大きく育ててあげたかった…」「早く産んでしまって申し訳ない」という気持ちでいっぱいになってしまいました。

産後、私がつらかったこと

母乳が出ないこと

双子は早産児かつ呼吸器の管を口から入れていたため、鼻から細い管を胃に通して、そこから母乳を注入していました。

母乳は赤ちゃんに吸ってもらう刺激でよく出るようになるので、吸ってもらえない私はマッサージをして自分で搾乳するしかありませんでした。病院の自動の搾乳機で搾乳していましたが、なかなか量が増えず、さらに2人分出さなければというプレッシャーで辛かったです(早産児は消化が未熟なので、ミルクより消化しやすい母乳が推奨されている)。

もちろん、ママが無理をするのは良くないので、母乳やミルクについては先生と相談して負担をかけすぎない程度に頑張ることが重要なのですが、あの時の私は使命感で頑張りすぎてしまっていたかなぁと思います。

傷の痛みや眠気との戦い

痛み止めは処方されますが、トイレに行くときや起き上がる時など、数日経ってもまだまだ傷は痛みました。なるべくゆっくり動くこと、可能な限り睡眠をとって体を休ませることを意識していました

また、赤ちゃんのお世話が無い分寝れると思われているかもしれませんが、3時間ごとにお乳のマッサージ+搾乳15分程+搾乳機の片付け+搾乳を届けに面会をしていたため、まとまって休めることはあまりありませんでした。

違う病室から聞こえる新生児の泣き声

新生児の姿を見たり泣き声を聞くと、「なんで自分の隣には赤ちゃんがいないんだろう…」とさみしくなりました。

ママになった実感もあまり湧いてなかったなぁと思います。

同じ状況のママへ伝えたいこと

搾乳と面会以外はしっかり休む

当時の私は、「搾乳と面会以外何もできない」と思っていましたが、その搾乳と面会が赤ちゃんにとってはとっても大事なことです

それにママだって壮絶な出産を終えたばかり。何もかも頑張ろうとする必要はありません退院してからはもっと大変になると思うので、今周りにサポートしてくれる人がたくさんいる時にしっかりと休息をとることが大切です。休めるときに休むのもママとして大事な仕事ですよ。

無理に面会に行かなくていい

はじめは、「ずっと一緒に居れないから、せめて面会はちゃんと行かなきゃ」と思い込んでいました。ですが、搾乳のたびに会いに行っていると、だんだんメンタル的に辛くなってきて…2〜3回は看護師さんに届けてもらうようお願いしました。それだけでも体の回復が全然違いました。

「しんどい」と思った時は思い切って人に頼ることが大事。それは今後の育児にも言えます。誰もあなたのことをひどい母親だなんて思いません。むしろ自分で自分の限界をしっかり理解していて素晴らしいことです。入院中から人に頼る練習をしておきましょう!

つらいことはスタッフに相談する

辛いことや我慢していることは、できれば看護師さんや先生に相談してください。スタッフの方々は赤ちゃんやママを助けるプロです。

私もはじめは、「これくらいどのママもやってるし、私の根性が足りないだけなんだ…」と思っていました。でも辛いものは辛いのです!まとまって寝れなくてつらい。赤ちゃんに会えなくてつらい。母乳が出なくてつらい。全部素直に話していいんです。逆に「楽しくて仕方ない!!」って人、いませんから。

相談さえすれば、話を聞いてくれたり、お薬を出してくれたり、アドバイスをくれたりします。どうか周りの人をしっかり頼って、心の中を不安でいっぱいにしないようにしましょう。それだけで赤ちゃんに集中できるようになりますからね

まとめ

双子が28週で生まれ、NICUに入院することになった日。
無事に生まれてくれた喜びと、これから先の見えない不安が同時に押し寄せたことを、今でもはっきり覚えています。

NICUでの生活は、想像していたものとは違い、緊張と不安の連続でした。
それでも、毎日の面会や小さな成長の積み重ねが、少しずつ前を向く力をくれました。

もし今、同じように早産やNICU入院で不安を抱えている方がいたら、どうか一人で抱え込まないでください。
ママが休むこと、人に頼ることも、赤ちゃんのためにできる大切なことのひとつです

次回は、NICUに入院した双子がどのような治療を受け、どんなふうに成長していったのかをお話しします。

  • NICUではどんな治療をしたの?
  • 2人はどんな風に成長していった?
  • 面会に通う日々で大変だったことは?

同じように悩んでいる方の参考になれば幸いです。

▼次回の記事はこちら

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※この記事は、妊娠中の一個人の体験記録です。
症状や経過には個人差がありますので、体調や治療については必ず医師・医療機関へご相談ください。