前回の記事では、妊娠24週までの双子妊娠生活についてお話ししました。
順調だと思っていた妊娠生活は、健診後のある出来事で一変します。
今回は、妊娠24週で起きた突然の破水と救急搬送についてお伝えします。
▼前回の記事はこちら
その日は突然やってきた
なんとそれは健診後だった
妊娠24週0日。その日は午前に健診がありました。
お腹も大きくなって車で行きたかったこと、(この時は私がペーパードライバーで運転できなかった)双子のエコーを一緒に見たかったこともあり、夫と一緒に行きました。
しっかりとエコーを見ることもでき、なんとこの日は2人とも男の子と分かりました!
今回の健診でも特に大きなトラブルは見られませんでしたが、張りが多いことや子宮頸管長が前回より短くなったこともあり、仕事をお休みするように言われ診断書を書いてもらいました。
その時はちょっとドキッとしたものの、先生からも「安静にしていれば大丈夫ですよ」と言われたため、職場にも連絡し、出産まで大人しく過ごそうと思っていました。
異変に気づいた瞬間
無事健診も終わり、せっかく夫と2人で出かけたタイミングだったので(娘ちゃんは保育園)ランチをして帰ることに。
メインの料理を頼んでサラダバーを取りに行き、どれにしようか悩んでいると…
”ジョロジョロ”
ん…?今お股から何かがすごく漏れたような…。
健診で内診もしていたし、そのせいでおりものが出てきたのかな?と思い、一旦席に戻りました。
でも席に着いた時に服まで濡れてると気付き、尿漏れなのかおりものなのか、はたまた破水なのか…不安になったため、確認するためにトイレに駆け込みました。
尿漏れとの違い・判断の難しさ
破水と尿漏れの違いは、主に以下の点だと言われています。
【色の違い】
・破水(羊水):無色透明〜淡く黄色がかった透明
・尿漏れ:黄色(尿独特の色)
【においの違い】
・破水(羊水):無臭、または生臭い・甘酸っぱいにおい
・尿漏れ:アンモニア臭
【量と流れ方】
・破水(羊水):自分の意思で止められない。
姿勢を変えるたびにチョロチョロ出続ける
・尿漏れ:くしゃみや立ち上がった時など、お腹に力が入った瞬間に出て
自分の意思で止められる
「これは破水かも」と思った理由
私の場合、色は透明に近く、においもアンモニア臭ではありませんでした。
そして何より、止まらない…。
時々ジワジワと出てくる感覚がありました。
「これは破水かもしれない」
そう思った瞬間、心臓がドキドキしました。
病院への連絡と救急搬送
かかりつけ病院への電話
さっき健診が終わったばかりなのにこんなことあるんだろうか…。そんな気持ちはありましたが、何かあってからでは遅いと思い、すぐにかかりつけに電話しました(正直ランチをもうちょっと堪能したかったけど…泣)。
状況を伝えると、助産師さんたちも「どうしようかなぁ…」というリアクションでしたが、服まで濡れたことを伝えるとやはり只事ではないように感じたのか、「今から来てください」と言われのですぐにそのまま夫と車で向かうことにしました。
もし「破水かも?」と迷っている方がいたら、 恥ずかしがらずにすぐに病院に連絡してください。
「もし尿漏れだったら恥ずかしい」と思う必要はまったくありません。
判断に迷ったときこそ、医療スタッフに相談することが 赤ちゃんとママを守る最善の方法です。
「今から来てください」と言われた緊張
「今から来てください」と言われたことで頭の中は良くない考えでいっぱいになりました。
つい数時間前にはエコーで元気に動く双子を見て喜んでいたのに…。
急に緊張してきてドキドキが止まりませんでした。
この時は「破水な気がする!」って自分で思って連絡したのに、「破水じゃないと言ってくれ!」と無茶苦茶なことを考えていました。
病院到着後の診察
破水の確認検査
病院に到着後、すぐに内診台へ。出てきたのが羊水かどうか検査しました。
結果はやはり羊水でした。私は間違いなく破水してしまったのです。
後から知ったのですが、私のような破水を「高位破水」と言うそうです。
子宮口の近くで破れる「完全破水」だと、羊水がドバッと一気に流れ出るので破水だとわかりやすいのですが、子宮の高い位置で膜が破れる「高位破水」は、少量の羊水がチョロチョロと流れ出るため、尿漏れやおりものと区別がつきにくいんです。
実際、破水か尿漏れか迷う妊婦さんはとても多いそうです。
特に双子妊娠の場合は通常よりも前期破水による早産のリスクが高くなるため、「破水かも?」と少しでも思ったら、すぐに病院に連絡することが大切だと後から知りました。
24週での破水の深刻さを知らされる
破水したと分かった途端、怖くて体が冷たくなっていったのを覚えています。
双子の命は助かるのか。もしかしてもう産まなければならないのか。
双子は早産になる傾向であるとは知っていたけれど、こんなにも早く生まれるなんて想像していなかった…。
この週数での破水には、いくつもの深刻なリスクがありました。
破水すると、子宮内で羊水とともに胎児を包んでいる膜が破れて、羊水が流出している状態になります。羊水が出続ければ陣痛が起きたり、細菌に感染したり、羊水の量が減ることで赤ちゃんが圧迫されたりといったことが問題になります。
特に破水すると赤ちゃんを覆っている膜が破れてしまうため、細菌に感染してしまうことがあります。
感染が起これば、赤ちゃんにもママにも重大な影響が及びます。
多くの場合は前期破水が起こると数日で生まれてしまい、あとは新生児医療で命をつなぐということになります。
もし24週で生まれてしまったら…
妊娠22週以降で生まれた場合、早産となりますが赤ちゃんの体重は500g前後で長期間の新生児医療(新生児集中治療室での治療)が必要となり、また、早く生まれた赤ちゃんほど、後で重篤な障害が出現する可能性が高くなります。
在胎23週未満で生まれた場合、生存することはまれです。23~24週で生まれた乳児は生存できる可能性がありますが、その大半に何らかの神経学的な問題がみられます。
さらに私の場合は双子妊娠でした。
双子の妊娠、または三つ子以上の多胎妊娠の場合、早産になるリスクが高くなると言われています。
双胎妊娠の約50%が早産になる中、
24週という早い週数での破水は、さらにリスクが高い状況でした。
医師からは、 「できる限り妊娠を継続させて、1日でも長く赤ちゃんたちをお腹の中で育てましょう」 と説明されました。
確かにリスクは大きい。でも、まだ希望はある。
「1日でも長く」 それが私の目標になりました。
即入院決定の通告
先生からは次のようなお話がありました。
・破水してしまうと24時間以内に陣痛が来る可能性が高いこと
・この病院では妊娠32週以降の早産しか対応できないため、より高度な医療設備がある病院へ搬送すること
以上のことからすぐに緊急搬送されることが決まりました。
救急車が到着するまで、私は助産師さんに付き添ってもらい、NSTをして赤ちゃんの心音を聞きながら待っていました。
MFICUがある病院へ搬送される
「MFICU(母体・胎児集中治療室)に入院していただきます」
先生からはそう告げられました。
MFICUとは、切迫早産や妊娠高血圧症候群など、
ハイリスクな妊娠に対応する専門的な病棟のこと。
24時間体制で母体と赤ちゃんを管理する集中治療室です。
(詳しいMFICUの様子については、次回の記事で詳しくお伝えします)
救急車が到着するとすぐに担架に移され、あっという間に救急車へ。車で来ていたため、夫は後から車で追いかけて向こうで会うことにしました。ですが実際はこれが入院前に顔を合わせるのが最後になってしまいました。
幸いにも遠い病院ではなく(今いた病院からは車で30分程、家からは40分程)、それだけは救いだったと思います。
そうして不安な気持ちがいっぱいなまま、私は救急搬送されたのです。
次回は、搬送後のMFICU(母体胎児集中治療室)での生活についてお話しします。
・MFICUってどんなところ?
・破水後の治療はどんなもの?
・24時間体制の管理入院生活とは?
突然の早期破水の後、どのように過ごすのか。
同じような経験をされた方、これから管理入院される方の参考になれば幸いです。
▼次回の記事はこちら







